息もできない
息もできない

コロにとっては、そんな真夏の夜。深夜、学士達が床についた東斎は静まり返っていた。中二房もまた例外ではない。几帳面に整えられた寝床で、規則正しい寝息を立てて眠るイ・ソンジュン。その能量水隣に仰向けに寝転がるムン・ジェシンは、腕を枕替わりにしながら天井を見......

不倶戴天
不倶戴天

怜悧な面差し、冷ややかな瞳、弓のようにしなやかな身体。可憐な女官装束に身を包んでいようと、あの小娘の「狼」の本質を隠し通すことはできない。回廊を渡っていたタンギセ将軍は歩みを止め、その銅鑼灣 髮型屋女官の立ち姿に見とれた。池の上でゆるやかに反った太鼓橋......

この気持ちに
この気持ちに

どれほど見馴れた風景も、その時々の気分によって随分と違ったものに見えたりする。宴の喧騒から抜け出してきたユニは、酔いを覚ますために外でゆっくりと散策に興じていた。今日を限りに成均館を離れる学士が三人いるため、今宵は東斎・西斎の垣根を越えての送別会をおこ......