
デュラコラボ
下校途中。竜ヶ峰が、最近池袋界隈で頻繁に起こっているという無差別通り魔について口にすると、杏里ちゃんは食いついた。心なしかその表情は曇っていて、焦燥と不安が見え隠れしているように思える。「い、いや、違うんだと思うんだけどね……『通り魔』で一応通っているけ......
下校途中。竜ヶ峰が、最近池袋界隈で頻繁に起こっているという無差別通り魔について口にすると、杏里ちゃんは食いついた。心なしかその表情は曇っていて、焦燥と不安が見え隠れしているように思える。「い、いや、違うんだと思うんだけどね……『通り魔』で一応通っているけ......
武田泰淳を初めて読んだのは、高校2年生の冬だ。「風媒花」だった。11月25日「広場の孤独」、26日「午後の曳航」、30日「暗い絵・崩壊感覚」、12月1日「野火」、2日「死者の奢り・飼育」、「海辺の光景」、3日「永遠なる序章」、「焼け跡のイエス・処女懐胎......
少し驚いているのだろうか。いつもそうするように眉がわずかに動いたような気がする。「僕はね」 答えは得られなかったが、それでも聞くだけでも聞いて欲しかった。こんな話を聞いてもらえるのも、やはりソードしかいなかったから。「ヴァンパイアになったことを煩わしく......