はんだ付にはいろいろな工法がありますが,各工法の分類と特徴を教えて下さい。

プリント基板へのはんだ付工法は表1のように分類されます。各種工法の特徴として加熱冷却速度の違いを示します。

はんだ付にはいろいろな工法がありますが,各工法の分類と特徴を教えて下さい。

フロー法は図1にウェーブ法を例示するように,溶融はんだ浴に基板下面を接触させてはんだ付する工法で,基板を上下するだけの方式をディップ,基板を搬送しながら浸漬する方式をドラグ,はんだを噴流としてノズルから流出させる方式をウェーブソルダリングといいます。ウェーブ法ではノズル形状,数,噴流速度などが機器によって様々です。また,基板とはんだ浴の接触角度はブリッジなどの欠陥発生と関係します。

リフロー法は基板にあらかじめソルダペーストを印刷供給しておき,赤外線,ホットエアなどの連続炉中で加熱してはんだ付を行う方式で,最近の高密度表面実装のキーテクノロジーとなっています。

いずれの工法においても基板上の部品の熱容量が一様でないので,最も熱容量の大きな部品すなわち最も温度が上がりにくい部品に対してはんだ付不良(未接合)が起こらないように加熱プロファイルを設定するので,微小部品では温度上昇が起こりすぎたり,溶融はんだとの接触時間が長すぎたりして過剰金属間化合物成長などに起因する信頼性低下に配慮する必要があります。

フロン規制に伴うフラックス残さの無洗浄が進展しており,活性力の低い,低残さフラックスで良好なぬれ性を確保するために,窒素ガス中など非酸化性雰囲気(厳密には低酸化速度雰囲気)におけるソルダリングが実用化されています。本方法のメリットは

① はんだ付部の酸化が抑制される

このためぬれが改善され,鉛フリーはんだではドロス(酸化物に覆われたかす(滓)の生成が抑制される。

② フラックスの変質が抑制される

などにより,低活性,少量のフラックス(固形分)ではんだ付が可能となります。このため残さの無洗浄でも腐食やマイグレーションの心配が少なくなります。

図2に窒素ガス中におけるぬれ性向上のいくつかの例を示します1)。

低酸素雰囲気使用により操業コストは上昇しますが,基板によっては欠陥発生減少による補修箇所の低減,フロー法ではドロス発生ロス減少に伴うメンテナンスコストの削減,フラックス変質抑制により洗浄が簡単,などにより雰囲気ガス導入コスト以上のメリットが得られるようです。

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はんだ付部の酸化が抑制される


フラックスの変質が抑制される


いずれの工法においても基板上の部品の熱容量が一様でないので


分類: 愛と美しさ 發布時間:2021年01月27日